ヒーロー(ヤンデレ)が死亡しました

「おかしらああぁ!」

「てめえ、何をしやがったあああぁ!」

「……、ぐっ、それでも、よ、嫁に、ぐわああぁ!」

「おかしらああぁ!」

「死に際まで愛を叫ぶなんてっ、女ぁ!お頭の最後だ!人工呼吸という名のキスをしてやってくーーぐおおおっ!」

お頭が呼吸を再開したと思ったら、今度は取り巻きの一人が泡を吹く。

「あにきいいいぃ!」

あにきいぃに駆け寄るもう一人。

「くそっ、おかしらああぁも、あにきいぃも、助からねえ!二人の遺志をついで、俺がこの女の胸をーーぶわああぁ!」

案の定の結果だった。
やはり、呪いの効果は未だに健在。

私が離れれば助かるかなと、今のうちに逃げておく。

これが呪いの全貌ーー私に好意ないし、危害を加えようとする者を対象に発揮されるそれは、必ず皆、首もとに手をやる。

あの三つ目の男のように、見えも触れも出来ない物が絞殺していくのだろう。

ああいった場面では助かるけど、やはり人が目の前で死ぬのは見たくない。

彼が死んだ場面を、また思い出しそうで。


「……っ」

笑顔で、死ぬほど愛していると言った彼を。

思い出のせいで、足元がおぼつかなくなる。倒れる寸前、誰かにぶつかった。

そうして、コンニチハーの挨拶三昧。

「ゲノゲさん、もしかして助けを」

心配そうなゲノゲさんたちに連れて来られた人は、ぶつかった衝撃で尻餅をついている。

思わずすみませんと、手を伸ばした。

私と同い年ぐらいで、黒の法衣を身にまとった少年は、いててっと言いながら私の手を掴んだ矢先。
< 23 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop