キミに想いが届くまで。
再び近づく2人
朝起きて学校に行く準備をする。
その時に、また伸びてきた髪の毛を見る。
今の奏汰くんはおさげは嫌いだって。
でも、ずっとこの髪型が定着しているから、今さら変えるのも恥ずかしいっていうか、落ち着かない……。
鏡の前で悩んだ結果、いつも通りにきっちりおさげをして学校に行った。
教室に入ると、まだ数人しか来ていない。
私は1時間目の授業の準備をしてから、読み途中だった文庫本を読み始める。
今日は絵梨ちゃんに会わなかった。
どちらかといえば絵梨ちゃんはギリギリに学校に来る派だから、私と時間が被るのは本当にたまになんだ。
「順平、奏汰おはよー」
「はよー」
「おはよう」
クラスの男子の声で、奏汰くんと順平くんが来たことが分かる。
そうなれば、文庫本に集中なんてできない。