キミに想いが届くまで。
私の意識は今教室に入ってきた人物に向かう。
昨日はいろいろと話せたけど、今日はどうなんだろう?
でも、そんなこと考えても友達に近づくわけではない。
今の奏汰くんとしっかり向き合うって決めたから。
私は席を立ちあがり、自分の席へと歩いて向かう奏汰くんの前にさり気なく立つ。
「お、お……」
「ん、莉子?」
奏汰くんの後ろにいる順平くんが私のことを不思議そうに見る。
頑張れ、自分!
スカートを両手で軽くギュッと握る。
一瞬下を向いてから、顔をバッと上げる。
奏汰くんはそんな私の行動に驚いたのか少しだけ目を見開く。