キミに想いが届くまで。
前だけを見て
休み明けの月曜日。
やっと奏汰くんは学校に来た。
倒れた時の面影はなく、顔色も良くて安心した。
話しかけてもいいのか迷ったけど、やっぱり話したいから奏汰くんの席に向かう。
「みうっ……」
私が名前を呼ぼうとしたら、肩に手が置かれ口を閉じる。
振り返れば今来た様子の順平くん。
順平くんには告白されたけど気まずくならず、あのあと普通に話したり土日も連絡を取り合っていた。
「オレに1番に行かせて」
強い口調の彼に私は何も言わずに頷いた。
横を通り過ぎて、奏汰くんの前に立つ。
あのことがあるから、クラスメイトも注目して教室に緊張感が漂う。