キミに想いが届くまで。
想いよ届け
財布も置いてきてしまったから、バスやタクシーも使えない。
運動神経が良いわけじゃない私はすぐに疲れてしまう。
でも、奏汰くんに会いたくて。
ただその一心で走り続けた。
マラソン大会でもここまで頑張ったことないんじゃないかなって思う。
足もガクガクして、肺もつぶれそうで息がしづらい。
それでも、少しでもペースを緩めたくないし休憩するなんてありえないこと。
そのまま病院の前まで来て、やっとペースを落とし息を整えながらエントランスを通った。
奏汰くんの病室は昨日言ったから分かる。
きっと記憶喪失だったこともあり、まだ個室にいるんだと思う。
病院内のエレベーターを使い、奏汰くんの病室に階に行く。
エレベーターを下りれば、真っ直ぐに奏汰くんの病室を目指して早歩きをした。