キミに想いが届くまで。

大好きな人たちと

奏汰くんといる幸せを感じていると、ポケットの中のスマホが震えた。


病院にいるのにマナーモードにするの忘れてた。



ポケットからスマホを取り出すと、それは着信で画面には『深田順平』の文字が映し出されていた。




「誰？」


「順平くん。
出ていい？」


「うん」




奏汰くんに一言断って、ここは病室だから場所を移動しようとするけど手首を掴まれた。




「だめ。
ここで出て」


「え？でも……」


「どこにも行かないで」




そんなことを言われてしまったら動けなくなり、頷いて罪悪感を感じながら電話に出た。





「もしもし？」


『あ、莉子！
お前どこにいんだよ！
荷物も置きっぱなしなのに』


「えっとー……」




言っていいのか迷って奏汰くんを見る。