あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「別れるって話は聞かないから」
「え?」
「美羽ちゃんがこんな時間に俺に話したい内容なんだろうから俺もそれなりに覚悟して来た。でも、別れるという話だけは聞かない。俺は美羽ちゃんと別れるつもりなんかないから」
小林さんはとっても頭のいい人だった。
私がこんな夜になっても会いたいという事が早急な内容だというのは分かっていたのだろう。ここまで言われているのに私は言葉を探してしまう。私だって別れたくなんかない。でも、私の今から言おうとしていることを聞くと小林さんの心だってどうなるか分からない。
私は小林さんの優しい微笑みに泣きたくなるくらいに愛しさを感じる。手を伸ばせば届く近い距離に小林さんはいる。好きで好きで堪らないのに今から私は苦しい言葉を口にしないといけない。
「フランス留学は…。私が断ったので中垣先輩が行くことになっています。でも、今日、中垣先輩のお祖母さんが病気だということを知りました。今は落ち着いているようですが、一時は悪かったようです。私は……」
私はそこまで行って言葉が続かなくなった。そんな私を小林さんはキュッと抱きしめると、私の耳元に優しい声を響かせた。
「そっか。だから今日だったんだね」
「一番最初に小林さんに相談したくて…。もっと自分の中で気持ちを纏めてから言うべきだとは思っているのですが、何度考えても答えが出ない。でも、もしも中垣先輩のお祖母さんに何かあったら、きっと私は後悔すると思います」
「え?」
「美羽ちゃんがこんな時間に俺に話したい内容なんだろうから俺もそれなりに覚悟して来た。でも、別れるという話だけは聞かない。俺は美羽ちゃんと別れるつもりなんかないから」
小林さんはとっても頭のいい人だった。
私がこんな夜になっても会いたいという事が早急な内容だというのは分かっていたのだろう。ここまで言われているのに私は言葉を探してしまう。私だって別れたくなんかない。でも、私の今から言おうとしていることを聞くと小林さんの心だってどうなるか分からない。
私は小林さんの優しい微笑みに泣きたくなるくらいに愛しさを感じる。手を伸ばせば届く近い距離に小林さんはいる。好きで好きで堪らないのに今から私は苦しい言葉を口にしないといけない。
「フランス留学は…。私が断ったので中垣先輩が行くことになっています。でも、今日、中垣先輩のお祖母さんが病気だということを知りました。今は落ち着いているようですが、一時は悪かったようです。私は……」
私はそこまで行って言葉が続かなくなった。そんな私を小林さんはキュッと抱きしめると、私の耳元に優しい声を響かせた。
「そっか。だから今日だったんだね」
「一番最初に小林さんに相談したくて…。もっと自分の中で気持ちを纏めてから言うべきだとは思っているのですが、何度考えても答えが出ない。でも、もしも中垣先輩のお祖母さんに何かあったら、きっと私は後悔すると思います」