あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
でも、言えなかった。私がそんな自分の心を吐露すると、きっと小林さんは困ると思う。私の身体を気遣ってのことだと分かっているから私は我慢しないといけない。でも、普通の恋人ならどうなのだろう。こういう時はどうするのだろうか?
彼氏彼女の距離はどのくらいまでよくて、どのくらいになるとダメなのか。
それがわからない。
小林さんの腕の力が緩むと私の身体は自由になる。身体は楽になるのに、心は少しの影を見せる。見上げると穏やかに笑う小林さんの顔があった。
「送って貰えますか」
「ああ」
荷物を持って出ようとすると、小林さん手が自然に私の手を握る。そして、私を見つめると唇に優しくキスをする。何度か優しいキスをして…。小林さんはフッと息を吐いた。
「また俺の部屋に来て」
そんな言葉に私はドキドキが止まらなかった。でも何も言えなくて、繋がれた手をキュッと握るしか出来なかった。駐車場までいくのにはかなりの時間を要したのに、駐車場に行って車に乗り込むとそれからはスムーズに車が動く。そのスムーズさが今日はちょっと寂しい。
「美羽ちゃん。どこにも寄らなくていい?」
「大丈夫です」
小林さんの右手はハンドル。だけど、左手は…私の手を握ったまま。そして温かい手に包まれたまま自分のマンションに着いてしまった。時間が掛かるとはいえ小林さんが歩いてでも帰れるくらいの距離なのだから車に乗るとすぐについてしまうもう放さないといけないと思うのに、この手を放すのが嫌でつい、小林さんの顔を見てしまった。
視線が絡むと胸の中が熱くなった。
彼氏彼女の距離はどのくらいまでよくて、どのくらいになるとダメなのか。
それがわからない。
小林さんの腕の力が緩むと私の身体は自由になる。身体は楽になるのに、心は少しの影を見せる。見上げると穏やかに笑う小林さんの顔があった。
「送って貰えますか」
「ああ」
荷物を持って出ようとすると、小林さん手が自然に私の手を握る。そして、私を見つめると唇に優しくキスをする。何度か優しいキスをして…。小林さんはフッと息を吐いた。
「また俺の部屋に来て」
そんな言葉に私はドキドキが止まらなかった。でも何も言えなくて、繋がれた手をキュッと握るしか出来なかった。駐車場までいくのにはかなりの時間を要したのに、駐車場に行って車に乗り込むとそれからはスムーズに車が動く。そのスムーズさが今日はちょっと寂しい。
「美羽ちゃん。どこにも寄らなくていい?」
「大丈夫です」
小林さんの右手はハンドル。だけど、左手は…私の手を握ったまま。そして温かい手に包まれたまま自分のマンションに着いてしまった。時間が掛かるとはいえ小林さんが歩いてでも帰れるくらいの距離なのだから車に乗るとすぐについてしまうもう放さないといけないと思うのに、この手を放すのが嫌でつい、小林さんの顔を見てしまった。
視線が絡むと胸の中が熱くなった。