あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
そうは言いながらも小林さんは身体を動かそうとはしなかった。でも、小林さんは何か心に決めたように一度『よし』と頷いてから立ち上がって私を見つめる。そして、私が大好きな笑顔を向けるのだった。大好きな笑顔なのに、寂しい。
「送るよ。美羽ちゃんの明日の仕事に触る」
「小林さんも明日は仕事ですよね」
「高見主任を恨みたくなるくらいに忙しいと思う。でも、俺よりも美羽ちゃんの方が忙しいから送る」
送ると言われると帰りたくなくなる。こんな我が儘な自分が心の中に居る。でも、そんな我が儘は出来ないとも思った。小林さんがこの時間に私をマンションに送るという意味は私の身体を心配しての事だった。明日からはまた忙しい研究の日々が続く。だから私は差し出された手に自分の手を重ねるしかなかった。
小林さんの差し出した手は私の身体をふわっと浮かせ、小林さんの胸へと誘われる。しっかりと抱き締められながらこの胸の温もりにもっと包まれていたいと思った。
「送ってくれるんですか」
「そのつもりだけど、ちょっとだけ来週俺が頑張るために美羽ちゃんでエネルギー充填」
私も小林さんに抱き締められると幸せを感じ明日頑張れると思った。私の方こそ小林さんでエネルギー充填だと思う。
「帰したくないな」
そんな甘い囁きに私も『帰りたくない』と心の中で囁いた。
「送るよ。美羽ちゃんの明日の仕事に触る」
「小林さんも明日は仕事ですよね」
「高見主任を恨みたくなるくらいに忙しいと思う。でも、俺よりも美羽ちゃんの方が忙しいから送る」
送ると言われると帰りたくなくなる。こんな我が儘な自分が心の中に居る。でも、そんな我が儘は出来ないとも思った。小林さんがこの時間に私をマンションに送るという意味は私の身体を心配しての事だった。明日からはまた忙しい研究の日々が続く。だから私は差し出された手に自分の手を重ねるしかなかった。
小林さんの差し出した手は私の身体をふわっと浮かせ、小林さんの胸へと誘われる。しっかりと抱き締められながらこの胸の温もりにもっと包まれていたいと思った。
「送ってくれるんですか」
「そのつもりだけど、ちょっとだけ来週俺が頑張るために美羽ちゃんでエネルギー充填」
私も小林さんに抱き締められると幸せを感じ明日頑張れると思った。私の方こそ小林さんでエネルギー充填だと思う。
「帰したくないな」
そんな甘い囁きに私も『帰りたくない』と心の中で囁いた。