あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
研究は休憩を入れてからスムーズに動き出す。ちょっとした休憩はフル回転している脳の緊張を緩めたのだろうか?さっきよりもかなりいい。中垣先輩の指示により、いくつかのサンプルを足していき、それがどんな効果を起こすことにより得るかは分からなかったけど、データを打ちでいくと随分研究が進むような気がして、頓挫していた気持ちがゆるりと動きだす。
仮説が次第に実績を伴い結果を生み出していく。その結果がやはり研究の醍醐味だった。
「これはなかなかいい。これをサンプルにして培養。それからテストと科学反応を観察する。理論上は前の製品よりもかなりよくなっているが数値が欲しい」
研究所一の切れ者と名高い中垣先輩がこんなに必死になって、研究に没頭したのはやはり根底に高見主任の言葉があったからだと思う。全ては高見主任の描いた設計書が現実味を増していく気がした。この分なら期限に間に合うかもしれないという展望が開けてくる。
甘いと言われるかもしれないけど、今の私にとっては一縷の望みがここにある。
「そうですね。かなり推察に近い数値が現れてます。この分なら、いい線をいくのではないでしょうか?」
「まだ、早い。糸口を掴んだか掴んでないかのくらいだ」
研究というのはその糸口を掴むのが難しい。そうは言いながらも中垣先輩は糸口のキュッと掴み、引き出したような光景を想像する。もしも、それを掴んだからには中垣先輩は離さないだろう。
仮説が次第に実績を伴い結果を生み出していく。その結果がやはり研究の醍醐味だった。
「これはなかなかいい。これをサンプルにして培養。それからテストと科学反応を観察する。理論上は前の製品よりもかなりよくなっているが数値が欲しい」
研究所一の切れ者と名高い中垣先輩がこんなに必死になって、研究に没頭したのはやはり根底に高見主任の言葉があったからだと思う。全ては高見主任の描いた設計書が現実味を増していく気がした。この分なら期限に間に合うかもしれないという展望が開けてくる。
甘いと言われるかもしれないけど、今の私にとっては一縷の望みがここにある。
「そうですね。かなり推察に近い数値が現れてます。この分なら、いい線をいくのではないでしょうか?」
「まだ、早い。糸口を掴んだか掴んでないかのくらいだ」
研究というのはその糸口を掴むのが難しい。そうは言いながらも中垣先輩は糸口のキュッと掴み、引き出したような光景を想像する。もしも、それを掴んだからには中垣先輩は離さないだろう。