あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
研究所までの道はいつもと変わらない。でも、この道を歩くのも数えるしかないかと思うと胸の奥がチクリと痛んだ。自分で決めた道を歩くのだから、それも仕方ないと思うけどまだ実感が湧かないというのは本音なところで、こんな風に思うことで徐々に現実味を帯びてくるのかもしれない。
研究室に入ったのもいつもと同じ時間。そして、研究室に入って『おはようございます』と言う前に中垣先輩の声が飛んだ。
「所長がすぐに来て欲しいらしい」
なんの話か、聞かなくても分かる気がした。昨日の今日となると内容はきっとフランス留学のことだろう。
「本当にいいのか?今ならまだ取り消せる」
「フランスに行って勉強してきます」
「そうか。本当に後悔しないか?」
「大丈夫です。では、先に行ってきます」
「ああ」
返事のようでいて曖昧な言葉を口にする中垣先輩を横目に私は研究室を出て所長室に向かう。廊下は時間的なものもあるとは思うけど、ほとんど人の気配がしない。並んでいるドアの窓から中を覗くと白衣を着た研究員が忙しそうに動いていた。時間から考えると確かにこの時間に廊下を歩いている研究員は殆どいない。
そして誰にも合わないうちに私は所長室の前まで来ていた。ドアをノックすると、中から少しくぐもった声が聞こえた。
研究室に入ったのもいつもと同じ時間。そして、研究室に入って『おはようございます』と言う前に中垣先輩の声が飛んだ。
「所長がすぐに来て欲しいらしい」
なんの話か、聞かなくても分かる気がした。昨日の今日となると内容はきっとフランス留学のことだろう。
「本当にいいのか?今ならまだ取り消せる」
「フランスに行って勉強してきます」
「そうか。本当に後悔しないか?」
「大丈夫です。では、先に行ってきます」
「ああ」
返事のようでいて曖昧な言葉を口にする中垣先輩を横目に私は研究室を出て所長室に向かう。廊下は時間的なものもあるとは思うけど、ほとんど人の気配がしない。並んでいるドアの窓から中を覗くと白衣を着た研究員が忙しそうに動いていた。時間から考えると確かにこの時間に廊下を歩いている研究員は殆どいない。
そして誰にも合わないうちに私は所長室の前まで来ていた。ドアをノックすると、中から少しくぐもった声が聞こえた。