あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「当たっています。折戸さんは優しいですし、少し過保護なところもあります。でも、それは私にだけではないですよ。一緒に働いていた後輩の男の人にも優しかったですし」


 折戸さんは初めて会った時からとっても優しい。思いやりがあって、頼りがいがあって…。私は尊敬している。そして、折戸さんの話をしながら、私は小林さんのことを思い出していた。思い出すだけで胸の奥がキュッとなる。フランスに無事に到着したことを連絡しないといけない。


 一人になったら連絡しないと…。


「普段の翔はとっても優しいわ。でも、仕事の時は鬼よ。支社だけでなく研究所にも無理難題を投げてくる。内容もともかく、期日が短いので何度『この男、絶対鬼』って何度も思ったし」


「鬼ですか?」


「ええ。とっても。いつもの温和な翔がどこにいるか探したくなるくらい。でも、美羽には甘いのかしら?」


 折戸さんの鬼っぷり…。それは直属の上司の影響を多々受けていると思う。折戸さんの鬼…そして、そのオリジナルである高見主任のどちらが怖いのだろうかと思ってしまった。仕事に対する真剣さは桁外れだから、想像はなんとなく出来る。仕事に対する厳しさは私であっても例外じゃない。折戸さんは公私混同を絶対にしない。


「いつもは優しいですが、仕事の時は厳しいです。ニコニコしながら、フォローはしてくれますが、大事なことをきちんと押さえる人です。私であっても誰であっても仕事に関してはぶれない人だと思います」


「美羽は翔のことをよくわかっているのね」


「一緒に働いてましたから」
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