あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 シャワーを浴び、スーツケースの中から、動きやすそうな服を取り出した。買い物に行くのだから、動きやすい服は前提、でも、お洒落な折戸さんに迷惑を掛けないように貧相な格好も出来ない。そんな私が選んだのはシンプルなワンピースだった。柔らかい素材で動きやすいのもあるけど、ふんわりと動くスカートが気に入っていた。それにこれなら折戸さんに迷惑を掛けることはないだろう。


『遅くなってすみません。準備は終わりました。キャルさんはいかがでしょうか?』


 すると、携帯は鳴らなかったけど、隣の部屋のドアが開く音がした。そして、すぐに私の部屋のチャイムが鳴らされる。玄関先に行くと、はめ込まれたガラス越しに折戸さんが見えた。さっき、ドアが開いたのはキャルさんの部屋だったはずなのに、ガラス越しには折戸さんがいる。


 メールをしてから、時間は殆ど経ってない。


「美羽ちゃん。おはよう」

 
 ドアを開けると、シャツにジーンズというシンプルなスタイルの折戸さんが立っていて、ニッコリと綺麗な顔で私に笑い掛けていた。


「おはようございます。あの、キャルさんは?」


「キャルはさっき電話したら、美羽ちゃんにごめんって。楽しくて飲み過ぎて二日酔いらしい。で、電話を切ろうとしたら、キャルから『水のペットボトルない?』って聞かれたから、届けてきた。キャルの二日酔いはかなり酷いよ。あれはいくらなんでも飲み過ぎ」

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