あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「美羽ちゃんらしいね。でも、美羽ちゃんなら一人でも大丈夫だと思うよ。さてと、買い物もしないと、遅くなってしまう」


「はい」


 折戸さんに連れられて、一人で生活するのに必要なものを買うことは出来ていく。私が買う度に、折戸さんの手に荷物が増えていく。持ちますと言っても渡してくれなくて…。申し訳ないと思ってると折戸さんはニッコリと笑った。


「後から、美羽ちゃんには持って欲しいものを買うから、それまで自分のバッグだけをしっかり持っててね」


 時間にして二時間くらいは経っただろうか。
 カフェでお茶して、買い物をして、大体の生活必需品は揃えることが出来た。たった二時間で終わったのは折戸さんのセレクトのお店がどこも素敵で、私が好みそうなものばかりを取り揃えていたからだった。


「そろそろ帰らないと美羽ちゃんも疲れたよね。帰りにキャルの二日酔い見舞いを買ってから戻ろう」


 二日酔い見舞いなんて…。何を渡せばいいのかわからないけど、私は折戸さんの後ろをついて歩く。いくつかの道を曲がった先にあったのは立派な店で、ガラス越しのショーウインドウにはたくさんのコルクがあり、そこ横にはラベルが飾ってある。


「ここだよ。ここは品揃えがいい。で、キャルの大好きなものがある」


 ドアを開けるとそこには少ししっとりとした空気が漂い。店特有に雰囲気に本格的な専門店だということが素人の私にも分かる。壁にはたくさんのワインの入った木箱が並んでいて、瓶に触れるととっても冷たい。本格的なワインセラーに二日酔い見舞いなんて売っているのだろうか?並ぶのはワインばかりで、私は薬屋で二日酔いの薬とか、マルシェで消化のいい食べ物とか…花とかそんなものをお見舞いに買っていくと思っていた。

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