あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
折戸さんが手に取ったのは一本のワインだった。真っ黒な瓶には綺麗な青いラベルが貼ってある。そのワインのラベルを丹念に見ながらニッコリと笑った。
「それってワインですよね」
「ワインだよ。結構いいワインで、キャルのお気に入り。
これは迎い酒だよ。キャルはそろそろお酒も冷めていると思う。二日酔いには迎い酒」
「でも、二日酔いにお酒っていうのも」
「大丈夫だよ。キャルはワインが好きだから、きっと喜ぶよ。美羽ちゃんが二日酔いの時には、薬とか花とか消化のいい食べ物をきちんと持ってくるから大丈夫。ワインは差し入れしないよ」
そう言って片手にワインを持った折戸さんがニッコリ笑っていた。
私たちの部屋のあるアパルとマンに着いたのはそれからしばらくしてからだった。アパルトマンの前から太陽の方を見つめるとそこには、一日の終焉を彩る太陽が静かに空を朱に染めていく。太陽を背に立つエッフェル塔は絵に書いたように存在感を指し示している。真っ赤な太陽の中に黒く浮かぶその姿は…。
ただ綺麗だと思った。
「綺麗です」
「とっても綺麗だね」
折戸さんの手にはたくさんの紙袋が下げられている。一緒に買い物した全てを折戸さんが持っていて、私の手には自分のバッグと、さっき買ったワインだけ。
「折戸さん」
前を歩く折戸さんを呼んでみると、フワッと髪を靡かせて私の方を向く。優しい笑顔にドキッとしてしまった。
「ん?何か買い忘れでもあった?」
「いえ。全部買いました。今日はありがとうございました。これでこちらでの生活も困らないと思います」
「それってワインですよね」
「ワインだよ。結構いいワインで、キャルのお気に入り。
これは迎い酒だよ。キャルはそろそろお酒も冷めていると思う。二日酔いには迎い酒」
「でも、二日酔いにお酒っていうのも」
「大丈夫だよ。キャルはワインが好きだから、きっと喜ぶよ。美羽ちゃんが二日酔いの時には、薬とか花とか消化のいい食べ物をきちんと持ってくるから大丈夫。ワインは差し入れしないよ」
そう言って片手にワインを持った折戸さんがニッコリ笑っていた。
私たちの部屋のあるアパルとマンに着いたのはそれからしばらくしてからだった。アパルトマンの前から太陽の方を見つめるとそこには、一日の終焉を彩る太陽が静かに空を朱に染めていく。太陽を背に立つエッフェル塔は絵に書いたように存在感を指し示している。真っ赤な太陽の中に黒く浮かぶその姿は…。
ただ綺麗だと思った。
「綺麗です」
「とっても綺麗だね」
折戸さんの手にはたくさんの紙袋が下げられている。一緒に買い物した全てを折戸さんが持っていて、私の手には自分のバッグと、さっき買ったワインだけ。
「折戸さん」
前を歩く折戸さんを呼んでみると、フワッと髪を靡かせて私の方を向く。優しい笑顔にドキッとしてしまった。
「ん?何か買い忘れでもあった?」
「いえ。全部買いました。今日はありがとうございました。これでこちらでの生活も困らないと思います」