あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
私がそういうと、電話口から折戸さんの息を吐いた音が聞こえた。
「そっか。それなら安心だ。日本に帰るのにそれだけは心配だった。美羽ちゃんはそのままの美羽ちゃんでいてね。一年後、日本で会えるのを楽しみにしているよ」
「はい」
「じゃあ、夜も遅いから切るね」
「はい。おやすみなさい」
「うん。おやすみ。いきなりごめんね。でも、話せてよかった」
「私もです」
私は電話を切ると、玄関から離れて窓際に行った。そっと薄いレースのカーテンを開けると月の光がさっきよりも部屋の中に注ぎこんでくる。眼下には下弦の月が薄くパリの街並みを照らしているのが見えた。
「ここで頑張らないと」
そんな私の呟きを零すと、私は自分の胸に手を置いて、言い聞かせる。折戸さんがパリから居なくなると思うとやっぱり寂しいし、不安もある。それでも私はここで頑張らないといけない。ベッドに入っても中々眠ることが出来ずに何度も何度も寝返りを打ったのだった。
折戸さんが日本に帰国する日はとてもいい天気だった。突き抜けるような青い空が綺麗で、私は空港まで行くタクシーの中にいた。今日は本来なら出勤日。でも、私は休みを取って見送りに向かっている。フランスに来て、たくさんの優しくして貰っていたからこそ、見送りはしたいと思っていた。静かに揺られるタクシーの中で私はキュッと自分の手を握る。そして、絶対に泣かないと言い聞かせていた。泣いたら、また折戸さんに心配を掛けてしまう。
「そっか。それなら安心だ。日本に帰るのにそれだけは心配だった。美羽ちゃんはそのままの美羽ちゃんでいてね。一年後、日本で会えるのを楽しみにしているよ」
「はい」
「じゃあ、夜も遅いから切るね」
「はい。おやすみなさい」
「うん。おやすみ。いきなりごめんね。でも、話せてよかった」
「私もです」
私は電話を切ると、玄関から離れて窓際に行った。そっと薄いレースのカーテンを開けると月の光がさっきよりも部屋の中に注ぎこんでくる。眼下には下弦の月が薄くパリの街並みを照らしているのが見えた。
「ここで頑張らないと」
そんな私の呟きを零すと、私は自分の胸に手を置いて、言い聞かせる。折戸さんがパリから居なくなると思うとやっぱり寂しいし、不安もある。それでも私はここで頑張らないといけない。ベッドに入っても中々眠ることが出来ずに何度も何度も寝返りを打ったのだった。
折戸さんが日本に帰国する日はとてもいい天気だった。突き抜けるような青い空が綺麗で、私は空港まで行くタクシーの中にいた。今日は本来なら出勤日。でも、私は休みを取って見送りに向かっている。フランスに来て、たくさんの優しくして貰っていたからこそ、見送りはしたいと思っていた。静かに揺られるタクシーの中で私はキュッと自分の手を握る。そして、絶対に泣かないと言い聞かせていた。泣いたら、また折戸さんに心配を掛けてしまう。