あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「全然頼もしくないです。いつも迷ってばかりですし、でも、折戸さんにもキャルにもいっぱいの優しさを貰ったから頑張らないといけないと思います。私も皆に負けないように研究を成果としてあげられるように頑張ろうと思います。今まで頑張ってきました。だから、最後まで頑張りたいです」


 玄関に座り、私は部屋の電気を消した。なんとなく、私も静かな気持ちで折戸さんと話していたかった。暗くなった部屋はしばらくして目が暗さに慣れてくると白い塗り壁のこて跡が部屋の中に差し込む月の光で陰影を浮かび上がらせていた。丹念に塗り込まれている白壁に私を視線を奪われていた。


 月の光の陰影が綺麗だと思った。


「最後まで頑張ります」


「美羽ちゃんは本当に素直でいい子だよね。そのままいて欲しいと思う反面、悪い人に騙されないかって心配もする。」


 まだ酔いが覚めてないらしい折戸さんは過保護発言を繰り返す。やはり心配の種は尽きないのかもしれない。それにしても悪い人に騙されないかっていうのはどうなのだろう?


「大丈夫です。日本を離れ、フランスに住んでいるんですから、日本のような安全で温室のようではないと知ってますから。戸締りもするし、何か困ったことがあったら、誰かに助けを頼みます」


「遠慮せずにね」


「はい。遠慮しません」
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