あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 研究所に行くと、やはり支社長と所長の間で話して終わっていて、私は小林さんがいる間だけ研究から離れ、小林さんのガイド兼通訳として動くようになっていた。小林さんが訪問しようとしていた企業もアポが取られてあった。今日と明日の午前中にその企業を訪問して、明日の午後からは史跡の見学を行うことになった。


 このことをキャルに話さないといけないと思って、研究室に行くと、私と小林さんを見てキャルはニッコリと微笑んだ。思いっきりよそ行きモードのキャルがそこにいた。


「初めまして。キャロラインと言います。この研究所では美羽と一緒に研究をしています。小林さんの事は美羽と翔から聞いています」


「初めまして。小林です。坂上さんはともかく、折戸さんがなんと言っているかが心配ですが」


「翔は…そうですね。真面目で真っ直ぐだけど、優秀で仕事は出来るけど、たまに可愛いところもあると言ってましたよ」


「優秀というのは少し首を傾げたくなりますが、折戸さんに掛かれば、私みたいな普通の人間も可愛いになるのでしょう。この度は、坂上さんをガイド兼通訳をして貰うことになり、本当に助かっています」


「美羽も嬉しいと思いますよ。研究の方は今は少し落ち着いていますので気にしなくていいですよ。それにもしも小林さんがフランスに居る間にここで仕事をしたとしても、集中は出来ないと思いますよ」


「キャル」


 私はキャルを窘めるように見つめると、キャルは平然と言い放ったのだった。


「いいじゃない。美羽も甘えたいでしょ」


「ガイドも通訳も仕事よ」


「そうね。仕事ね」
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