あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
一緒に住む場所は支社と研究所の間でどちらかというと研究所寄りの新築マンションに決まった。一緒に買い揃えた家具が搬入されると次第に空っぽだったマンションに物が増えていき、私と小林さんの色に染まり生活がいつでも始められるようになって行く。
私が一人で住んでいる時に使っていた家具は実家の母に頼んで結局全部処分することになってしまった。小林さんの言った通りになってしまった。
住むところも家具も決まり、式が終わり、新婚旅行が終わったら私は小林さんとの新生活を始めることになっている。全てが決まる中で決まらないのがドレスだった。お色直しをしたいという小林さんを説き伏せて、この結婚式の時に着るドレスだけで許して貰うことにした。白衣なら似合う自信があるけど、ウェディングドレスは自信がない。
「これにします」
それは一番最後に来たドレスで、選んだのは私ではなく小林さんだった。小林さんは明確にこれにしようとは言わなかったけど、今までのドレスよりも気に入ったのか、『綺麗』と『可愛い』をいつも以上に連発。私は小林さんが気に入ったならそれでいいと思っていたので、そのドレスにした。
髪型を決め、飾りを決め、全てが終わる頃には夕方になっていた。昼過ぎに来ていたのに、こんな時間がかかるのかと思ったものだった。
店を出ると小林さんはゆっくりと私の手を握り、指を絡めた。
「これで全部の準備が終わったね」
「はい」
私が一人で住んでいる時に使っていた家具は実家の母に頼んで結局全部処分することになってしまった。小林さんの言った通りになってしまった。
住むところも家具も決まり、式が終わり、新婚旅行が終わったら私は小林さんとの新生活を始めることになっている。全てが決まる中で決まらないのがドレスだった。お色直しをしたいという小林さんを説き伏せて、この結婚式の時に着るドレスだけで許して貰うことにした。白衣なら似合う自信があるけど、ウェディングドレスは自信がない。
「これにします」
それは一番最後に来たドレスで、選んだのは私ではなく小林さんだった。小林さんは明確にこれにしようとは言わなかったけど、今までのドレスよりも気に入ったのか、『綺麗』と『可愛い』をいつも以上に連発。私は小林さんが気に入ったならそれでいいと思っていたので、そのドレスにした。
髪型を決め、飾りを決め、全てが終わる頃には夕方になっていた。昼過ぎに来ていたのに、こんな時間がかかるのかと思ったものだった。
店を出ると小林さんはゆっくりと私の手を握り、指を絡めた。
「これで全部の準備が終わったね」
「はい」