あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「ゴメン。まだ靴も脱いでないのに、俺って余裕ないな」
そんな小林さんの言葉に私は靴も脱がないまま、狭い玄関先で小林さんの甘さに浸っていた。愛というのがこんなに甘いとは知らずに私は自分で自分が分からなくなる。心の奥にはいつもの私がいて、小林さんの愛に甘える自分を客観視している。甘え過ぎでしょって。
そして、もう一人の私は小林さんの愛に『もっと』と甘えている。でも、私を支配したのは客観視している方だった。
「せっかく温めたお弁当が冷めましたよ。私のはともかく小林さんのは温かい方が美味しいと思います」
「うん。でも、今はまだ足りない」
そんな風に言われながらもう一度唇を落とす小林さんが好きで、堪らなく好きで…甘える私が台頭してしまう。私はゆっくりと小林さんの背中に手を回すと、しっかりと抱きついた。腕に感じる逞しい身体が愛しく思い、この時間がずっと続けばいいと思う。
「ご飯たべようか」
「はい」
「お腹空いたよね」
「はい」
リビングは当たり前だけど、私が朝、出勤する前と全く変わらない状況だった。さすがに脱いだ洋服を置いたりはしてないけど、かといって綺麗でもない。私はテーブルの上に置いていた新聞を棚の上に置くと小林さんはそこに買ってきたお弁当の袋を置く。
テーブルの端に私と小林さんは座って向かい合うように少しだけ離れて座ったのだった。
「テレビでも見ますか?」
そんな小林さんの言葉に私は靴も脱がないまま、狭い玄関先で小林さんの甘さに浸っていた。愛というのがこんなに甘いとは知らずに私は自分で自分が分からなくなる。心の奥にはいつもの私がいて、小林さんの愛に甘える自分を客観視している。甘え過ぎでしょって。
そして、もう一人の私は小林さんの愛に『もっと』と甘えている。でも、私を支配したのは客観視している方だった。
「せっかく温めたお弁当が冷めましたよ。私のはともかく小林さんのは温かい方が美味しいと思います」
「うん。でも、今はまだ足りない」
そんな風に言われながらもう一度唇を落とす小林さんが好きで、堪らなく好きで…甘える私が台頭してしまう。私はゆっくりと小林さんの背中に手を回すと、しっかりと抱きついた。腕に感じる逞しい身体が愛しく思い、この時間がずっと続けばいいと思う。
「ご飯たべようか」
「はい」
「お腹空いたよね」
「はい」
リビングは当たり前だけど、私が朝、出勤する前と全く変わらない状況だった。さすがに脱いだ洋服を置いたりはしてないけど、かといって綺麗でもない。私はテーブルの上に置いていた新聞を棚の上に置くと小林さんはそこに買ってきたお弁当の袋を置く。
テーブルの端に私と小林さんは座って向かい合うように少しだけ離れて座ったのだった。
「テレビでも見ますか?」