あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 私と小林さんが入ったのは小林さんのマンションまでの通り道にあるカフェでサンドイッチが有名な店だった。でも、このサンドイッチはボリュームが満点で、私は一つでお腹一杯になりそうなのに、カゴの中には三個も入っている。さすが、小林さんが選ぶだけある店だと思った。


 小林さんはさっき『オヤツ』のおにぎりを食べたとは思えないくらいにモリモリと食べていく。私はというと一つ食べるのが精一杯だった。でも、なんとか二つ目に手を付ける頃には小林さんのサンドイッチの入っていたカゴは空っぽだった。


「よかったら食べますか?」


「いいの?」


「はい。私はこの二つ目で限界だと思います」


「じゃ、遠慮なく」


 そういうと、その最後のサンドイッチもペロッとお腹の中にいれてしまうと、小林さんはにこっと笑う。


「やっと落ち着いた。さ、俺の部屋に帰ろう。昨日、見終わってないレンタルDVDを見ないと。それともこのままどこかに行ってもいいけど?」


 DVDを見た後のことが余りにも幸せ過ぎたのでその存在を私はすっかり忘れていた。小林さんと一緒に居れたらどこでもいいけど、運動不足の私は二日連続で買い物とかに出る自信はなかった。そうでなくても身体に倦怠感がある。


「小林さんの部屋に行ってもいいですか?」


「うん」


「一緒に買い物とかでもいいんですが、実は運動不足で、身体が持ちそうもなくて」


「それも了解。じゃ、帰ろうか」


 帰ろうかと言った小林さんの言葉にドキッとしながらも、繋がれた手の優しさが幸せを感じさせたのだった。


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