あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 時間が過ぎるのは早いというのは何度も何度も感じたことだけど、今日の時間が過ぎる勢いが早すぎる。小林さんのマンションに戻ってきたのは昼過ぎだったのに、既に時間は夜になっていた。DVDを見ながら何度も笑いあい、時折、急にキスを落とされたりと何度もドキドキしながらの時間は…。アッと言う間だった。


 そして、もう私は自分の部屋に戻らないといけない時間になっていた。それは小林さんも分かっていることで時折、壁に掛かっている時計を見ては小さな溜め息を零している。立ち上がって、壁の時計の針にセロテープを貼りたくなってしまう。


「もうそろそろ送らないといけないよね」


 溜め息を零しながら、小林さんが言ったのは夕食も終わって一緒にソファでテレビを見ている時だった。小林さんの横でカフェオレを飲みながらの時間は穏やかで落ち着くし、触れる優しさを感じずにはいられない。そっと身体を傾けてみると、その私の気持ちに気付いたのか小林さんはフワッと私の肩を抱いてくれていた。


 DVDを見終わった後にテレビにはバラエティ番組が映っているけど、全くどのような内容なのか、面白いのか面白くないのかさえわからない。私の意識は全部小林さんに持っていかれている。そんな中での小林さんの言葉は夢の世界から現実の世界へ引き戻すものだった。


 分かっているものの、言葉にして言われるとやっぱり寂しいと思ってしまう。


 今日は日曜日。
 明日は月曜日。
 一週間の始まりの日だ。



「そうですね。明日仕事ですし」


「だよね。じゃあ、そろそろだよね」


< 9 / 498 >

この作品をシェア

pagetop