怨み赤子
あたしはその場に膝をつき大きく左右に首をふる。


「あとね、先生たちも殺しておいてあげたよ。いつも勉強するの嫌いだったでしょ。だから怨みを晴らしてあげた」


「もう……やめて!!!!」


両耳を塞ぎ、叫ぶ。


たしかに赤子の言う通りだった。


あたしはみんなの事が好きだと言いながらも、心のどこかではみんなの嫌な部分ばかり見ていた。


あの子はこうだから嫌い。


この子はこうだから嫌い。


少しの欠点を見つけては鼻で笑い、そして陰口を叩いていた。


赤子はそれをすべて晴らしたのだ……。


「人を呪わば穴二つって言うけどさぁ……穴の数沢山いるね」


赤子はそう言いおかしそうに笑い声をあげた。


なにがおかしいの?


クラス中血に染めておいて、なんで笑ってられるの!?


あたしは立ちあがり、赤子へ向かって拳を突き上げた。


「やめてよ。あたし、お母さんを殺すつもりはないんだから」


赤子は片手で簡単にあたしの拳を止めるとそう言った。


「え……?」


赤子は母親さえも殺してしまうんじゃなかったの?
< 140 / 143 >

この作品をシェア

pagetop