怨み赤子
「あたしはお母さんそのものだよ。このナイフについている指紋もね……」


赤子はそう言いニヤリを笑う。


遠くからパトカーと救急車の音が聞こえて来のがわかった。


「まさか……」


「お母さんがここへ来ることはお見通しだったよ。お互いに、お互いの行動が見えるって素敵だよね」


赤子はそう言い、ナイフを倒れているクラスメートに突き立てた。


「だからさ、お母さんにはあたしの栄光を見せてあげるよ。目を閉じればいつでも絵を描いているあたしが見える。素敵でしょう?」


「やめてよ……なにするつもり!?」


「才能も魅力も、あたしはお母さんのはるか上を行っているの。だからね、あたしがお母さんの人生を作ってあげる」


ふふふっ。


楽しげな笑い声を上げて、赤子は窓へと走る。


「ちょっと……!」


あたしが止める暇もなく、赤子は開け放たれた窓から身を投げた。


咄嗟にかけより、窓の外を見る。


ここは4階だと言うのに赤子は地面に難なく着地すると裏門へ向かって走って行ってしまった。


止めないと!!
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