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「はいっ!」

中から倉谷の声が聞こえた。

「綾瀬です!入っても大丈夫ですか?」

「いーよー」

倉谷ののんきな声が聞こえた。

私はドアを開け、中に入った。

倉谷の部屋はバスケのもので埋め尽くされていた。

ドアを閉めながらも、目は部屋を見渡していた。

「この辺座ってー!」

倉谷に誘導されるまま、床に座る。

もちろん正座になった。

倉谷も私の向かい側であぐらをかいた。

「なんで正座なの?」

「いえっ…特に意味は…」

そのとき倉谷がこらえるように笑った。

私はなんて反応すればいいのか分からなくて、黙ってた。

「まぁ、綾瀬さんがいいならいーや。改めまして、倉谷拓翔です。よろしくね。」

「綾瀬花音です。よろしくお願いします。」

「悠紀さんのところにはもう行った?」

なんでみんなこのこと聞くの?

「はい。あの…悠紀さんのところ、行かないとヤバイんですか?」

「んー…ヤバイっていうか…悠紀さんは寂しがりやなのかな…?仲間はずれが嫌いなんだよね。」

そんな風には見えないのに…

むしろ、1人にしてくれって言っているような雰囲気を出しているのに…

「悠紀さんのあのぶっきらぼうな感じは、あれは一種の『かまって』って言ってるやつだから。」

ちょっと意外かも…

「あっ!もう1人の1年生にも悠紀さんのところに行くように言っといて!」

「はい。分かりました。」

「あと、花音ちゃんって呼んでいい?」

「はい…」

「俺のことは拓翔さんでいいから。」

「はい。」

私はそれだけ言って、部屋を後にした。

正直色々聞きたかった。

でも、来て1日目で男の人と仲良くするのは気が引けた。

最後はおどおど1年生だ。
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