☆腹黒王子に溺愛された悪女★



そして私はハッと気付いた。


奴に捕まった自分に。



滝川は笑顔で言う...



「好きな女さえ我が物に出来ない男?」

「んぐぐっ...んぐっ」


口から手を離せ〜!


「いいねぇー」



私の口を押さえていた手は、私の右腕を掴み直し、なかなかの速さで歩きだした。


「どこ行くのよっ」

「すぐ着くよ」

「はー!?」


そんな事を言ってる間に、体育館にたどり着いてステージ裏に忍び込んだ。

......まさか、これは......


「襲う気!?」

「好きって白状するまで止めないからね」

「は!?...........んっ」


もう何度目のキスだろう。

多分、さっきのでスイッチが入ってしまったんだと思う。


手加減なしの、


深いキスが頭の中を真っ白にした。





どうして滝川が私を好きなのか知らない。
いつから私を知ってるのか知らない。

でも、



滝川のキスは

私を好きだと訴える。

みんなが否定する私を、

好きだと言ってくれてるようで...



不本意だけどコイツのキスは好きだ...



「...え?」

「え?」


突然目を見開く滝川。


「いま好きって...」

「え?...え!?」


うそ!声に出してた!?


「いや、違う!」

「好き言うの早ッ!」

「違うんだってば!」

「あ〜っマジかぁ〜」


聞け!!!


滝川はテンション下がり気味だったが...
すぐまた笑顔になる。



「俺まだ満足してないから」



そう言って、

再びキスが降りてきた。




抵抗しない自分に呆れるどころか


迫ってくる舌を受け入れてることに




恐怖を抱いた。




人間って怖い!









。。。。。。。。。。


それから一週間後.....



私は一度も好きだと言ってないのに、校内公認のカップルとなっていた。


周りの、私に対する態度とかは変わらないものの、
滝川のみんなへの態度が激変し、驚いた。


「柚香の敵は俺の敵。つー訳だから柚香のクラスは佐々木ちゃん以外信じない。」


佐々木さんは大喜びであった。


ちゃんちゃん。




......ってなにこの終わり方!!


雑!



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