運命の人。~俺様教師と秘密の恋~
「ユメ!お待たせ!
ごめんな呼び出して待たせて!」
陽一が去ってから割とすぐ、
ジャージのままの将人が
汗だくで教室に入ってきた。
「じゃぁ、帰ろうか」
将人は荒い息を整えると
笑顔で手を差し伸べてくれた。
「…うん」
将人と2人、
手を繋ぎながら家に向かって歩く。
幼い頃からずっと続いてた。
これからもそれが続くと思ってた。
「ユメ、
噂....聞いたよな?」
「…うん…」
歩きながらポツリと言う将人に
私もうつむきながら答えた。
「事実だから言い訳はしない。
ウォーキングの時告白されて
断ったんだけど…。
でも俺はユメが好きなんだ。
これからは絶対こんなことにならないように気をつける。
だから、
俺の事信じて欲しい」
将人は立ち止まると
私の目を見てはっきりとそう言ってくれた。
【あいつは誰より
ユメの事好きだから】
陽一の言葉が頭の中で浮かぶ。
将人はホントに私のことを
愛してくれてる。
大事にしてくれてる。
そんなことわかってる。
……なのに。
気づかないうちに私の頬に涙が伝って
それを見た将人が
私を強く抱きしめてくれた。