俺様彼女
「だから片付け!」
三木はキッと俺たちを睨む。
『はい…』
「兄貴はもういいから、母さんの手伝いしてろ!」
「こず…」
「早く!」
キッと三木が強く睨むと、三木(兄)はしょんぼりと肩を落として部屋を出て行った。
まったく…
予想外の敵だった…
俺もほっと一息ついて、三木が持ってきてくれた麦茶を一口飲んだ。
「三木――…じゃなくて、要さん。あの人いつもあんな感じなの?」
そう聞くと、三木は苦笑いして口を開いた。
「私のせいなんだ」
「何ソレ?お前のせいとかあんの?」
俺が再度問いかけると、三木は作業を中断してベッドに腰掛けた。
「兄貴が中学生の時に、私は好きな人がいてな。私、フられたんだ」
フられた?!
こんなに可愛い三木が?!
「私は中学生の兄貴に言ったんだ。"男なんて兄貴しか信じられない"って。だから兄貴は私を護ろうとしてくれているだけで、悪気はないんだ…」
「そっか…」
…でも悪気、結構あると思うよ?