陽のあたる場所へ


いずみが涙ぐんでいるのが、受話器越しに伝わって来る。
同病相憐れむ…
彼女も真剣だったんだと思ったら、そんな言葉が浮かんだ。
まるで自分の気持ちを代弁されたようで、沙織の胸も痛んだ。

けれど、彼女が、事実を探りたくて、近付いて来たかも知れないという疑念は晴れた。
こんなにきつい状況の中で、それだけが沙織にとっては救いだった。

「いずみちゃん、ありがとね」

「え?何がですか?」

「ううん、何でもない。辛いと思うけどさ、頑張ろ。いずみちゃん、可愛いし、中身もとってもいい娘だから、きっともっと素敵な人、見つかるよ。
何もあんなドS上司なんかに拘らなくってもさ」

「ドS上司って…。沙織先輩、随分な言い様ですね」

電話の向こうで、いずみが少し笑ったのがわかった。

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