陽のあたる場所へ
「ほんっと、鈍感ですよねー!吉沢くんは」
和食料理店の一室。
龍司と沙織の結婚話を聞いた時の、吉沢の反応が面白かったと、光里から聞いたいずみは、鍋に野菜などの具材を入れながら、吉沢を見て言った。
「うるっせ!じゃ、久留宮、お前は気付いてたって言うのかよ」
「えっ、私?私なんて本人さん達より早く気付いてたって言うか…。ね、ね、沙織先輩、私の勘ってある意味すごくないですか?」
「そうだね…確かにね」
「何だよ、どういう意味だよ、それ」
「直感的にお似合いだと思ったのよ。
それに、社長と沙織先輩の、お互いを見る視線が眩しそう…って言うか、なのに、そのタイミングが微妙~にズレちゃってて、お互い気付いてないって言うか…。
そういうのに、私、気付いちゃってたのよね~」
「はぁ?何かややこしそうだな」
「いずみちゃんは、恋愛の神なのかな?」
光里が、恥ずかしそうにしている沙織を一瞥した後、いずみを茶化して笑う。
「やっだ~!光里先輩、そんなに崇めないでくださいさよ~」
「崇めてはねぇだろ。けど、何かすげえな。…てか、人間観察ばっかしてて、お前、暇なんだな」
「しっつれいね~!でもさ、ほんとは私だってハートブレイクだったんだよ。社長のこと、好きだったんだからさぁ」
「いずみちゃん、ホントごめんね…。私だってずっと片想いだと思ってたし、いずみちゃんに言えなくて…」
「もう!いいんですよ~!私、沙織先輩も大好きなんですから!だから、今は本気で笑って祝福できてるんですからね!」
「ありがとう~!いずみちゃん。いずみちゃんもいい人見つけて幸せになってね~!」
「はいっ!絶対、玉の輿に乗ります!あ、そういう意味じゃないですね」
いずみがふざけて笑う。