恋は盲目
ガタッと司が椅子から立ち上がる音が聞こえたと思えば、いつの間にか私は司に抱き締められていた。
「よく頑張ったな」
龍ちゃんの体温とは違う。
なぜかとても安心した。
「いまはたくさん泣けよ。気がすむまで、龍也さんのことを思って泣けばいい」
司の腕に力がこもる。
「朋を幸せにしてくれる人、絶対にいるから。…もしかしたら、すぐ近くにいるかもしれないよ」
私は司の腕で、大声をあげて泣いた。
そのあと司はずっと、なにも言わずそばにいてくれた。
私がその言葉の意味に気づくのは、
もう少し先のお話。
END


