好きっぽい★
カジ君の声のトーンがさらに上がった。

そしてそこから、お兄さんに対するお説教が始まった。


あたしはそれをただ呆然と立ちすくんで見ていた。



「ちょっと。どうしたの?」


この騒ぎを聞きつけたのか、お母さんがやってきた。



「お兄ちゃん!!」


お母さんは、それこそ幽霊でも見つけたかのように、驚いた顔をしている。


そしてキッとお兄さんを睨むと、「ちょっと来なさい」静かな声でそう言った。


その声は穏やかであるゆえに、逆にお母さんの怒りを表しているような気がした。


お兄さんはブルっと体を震わすと、お母さんの後に続いて部屋を出て行ってしまった。


「はぁ……」


ガックリ肩を落としてカジ君はうなだれている。
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