続・生きる。


「湊~!久しぶりね。

ずっと会ってくれないから寂しかったよ。」


「お久しぶりです。由美さん。」


「哉斗の後ろに隠れてる女の子は?誰?

哉斗の彼女?」


…バレてんじゃん。


「違います。

…一輝さんと晴輝さんの妹です。」


…何その紹介の仕方…関係遠いね、ずいぶん。


「へぇ…じゃあその子が心臓病の?」


「…え?」


「そう、生きてたんだ。」


…何その言い方。死んでほしかったみたいな。


「ねぇ、湊も一緒に回りましょう。みんなも!」


「いや…でもこの子一人にできないんで…」


そう言ったのは颯。


由美さんの言った"みんな"には

私は含まれていなかったのか。


「じゃあ湊だけでいいわ。ね、いいでしょ?」


…行かないよね?

私…初めてのお祭りだよ…?


「…わかりました。」


え…。


「悪いけど送ってって。」


湊は3人にそういうと

由美さんと腕を組んで言ってしまった。


「なんで…」


「由茉ちゃん、大丈夫?」


哉斗が心配そうに聞いてきた。


「…うん。仕方ないよ。湊が決めたんだもん。」


私たちは4人で花火を見た。


1年ぶりの花火はとても綺麗とは

思えなかった…。

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