続・生きる。



もー!湊のばか!信じられない!

どんな顔して戻ればいいの~。もう!


私は心の中で湊に文句をいいながら

下へ降りていった。


「どうした?由茉。

顔真っ赤だけど。」


話しかけてきたのは雄。


「え!?

な、なんでもないよ!」


私は慌てて答えた。


「あー、湊さんとなにかあった?

仲直りしたんだ?」


「うん、まあ一応仲直りはしたかな…」


また飛び出しちゃったけど。


「ふーん、よかったな。」


雄はそう言って私の頭を撫でた。


「雄も大きくなったね。」


「お前いつまで俺をガキ扱いしてんの。

言っとくけど由茉だって

ガキだったんだからな。

あの頃は俺の後ろばっかついてきてたのに。」


「昔の話でしょ。」


そんな話をしていたらいきなり体が重くなった。


「なにしてるんだよ。こんなとこで。」


ひくーい声が上から聞こえてきた。

湊が私の頭に顎を乗せてくっついてる状態。


「…湊…怖いけど…」


「こんなとこで何してんの」


「…こんなとこって…」


「俺から離れんなって言ったと思うけど。」


「…はい。」


「戻るぞ。」


そう言って私の手を握って歩き出した…

かと思ったら急に振り返り


「雄、こいつに触るな。」


と言った。


「はい、すみません。」


と頭を下げる雄。


そんな雄に背中を向けて歩き出した。



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