続・生きる。
「美波もちゃんと好きだったけどな。
嫉妬とかしなかったし。
ケンカとかもしたことなかったな。」
と言い出した。
「…それ今言う?
私美波相手でも嫉妬するんだけど。」
と私が言うと
「へぇ、由茉も嫉妬とかするんだな。」
と笑顔で答えた。
「当たり前じゃん。
美波といるときは湊に嫉妬してたし。
美波、湊の話ばっかりするから。
でも湊好きになってからは
美波に嫉妬ばっかり。
なんで美波には嫉妬しなかったの?」
「なんでだろうなー。
あいつは俺から離れない
っていう自信があったからかな。」
「…今は自信ないの?」
「由茉の周りは男ばっかだからな。」
「自分がそうさせたんでしょ。」
「そうだけど。
由茉はみんなに優しすぎだから。
哉斗の時も爽の時も由茉必死だったろ。
俺にはああいうのなかったし。」
「湊は一番最初でしょ。
出会ったとき。私必死だったよ。」
「あぁ…あのときは美波のことでいっぱいで
全然気にできなかったな。」
「…まだ好き?」
「は?」
「美波のこと。まだ好き?」
「ばーか。美波はもう過去形。
今は由茉だけ。
つーかそんな余裕ねーし。」
私はずっと胸の奥でひっかかったものが
やっととれた気がする。
すぐに否定してくれたことが嬉しくて…
「そんなこと気にしてたのかよ?」
と聞かれてしまった。
「うん…ずっと気になってた。」
「信用ねーな、俺。」
「そんなんじゃないよ。」
私もよくわかんないんだ。
でも美波が今ここにいたら、
実際どうなんだろうって
お互い好きなまま別れたから
美波がいたら私なんか選ばないんだろうなって
そんな風に考えちゃう私はばかだよね。
結局私はいつまでも美波に嫉妬していた。