続・生きる。



純が戻ってきた。


「今年は雄が速くて焦った~!」


涼しい顔でそんなことを言っていた。


「雄速かったな。

去年は秀の方が速かったのに。」


爽が言った。

このあと女子の長距離があり、

そのあとが湊が出る借り物競争だ。


「湊、頑張ってね!」


「余裕。」


私の頭をぐしゃっとして入場口に向かった。


「湊はすげーよ。」


「なんで?」


颯がいった。


「借り物の紙を引くだろ?

それを湊が読み上げると

女の子が勝手に持ってくるんだ。」


「へー…それは見物だね…」


私は苦笑いだった。

そんなんでいいのかな…


「でも1年のときは

好きな人ってのに当たっちゃって。

湊、悩んだ末哉斗を連れてったんだよ。

あれは笑えたな。」


そう言いながら笑う颯。


「あれはビビったね、

いきなり俺んとこ来るんだもん。

で、ゴールしてお題を読み上げられて

本当に爆笑だったな。」


へー、そんなのもあるんだ。

それって借り物なのかな…なんて思いつつ

借り物競争が始まった。



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