不機嫌な恋なら、先生と
「何よそれ。身分相応って、あの人どこかの国の王様なわけ?」
「王様って。そんなわけないじゃないですか」
「じゃあ、勝手に自分を下に見てるってだけなのね。嫌だ。この小娘、あたしの話、全然聞いてないのね。やになっちゃう。あたし、あんたにインタビューとかされても絶対答えないからね」
「インタビュー? そういうことは別に、私……」
KAMAさんの攻撃の意図が分からず、言い淀むと、「自信を持つ方法。自分を下に見ないって、さっきKAMAさん言ってましたもんね。
恋もそういうことだって言いたいんじゃないですか」と、花愛ちゃんが言った。
「あ……まあ、そうですけど」
「でも、それってやっぱり好きってことですよね」
「そうよ。何が違うよ。いやーね。小娘ったら。好きなくせに憧れにすり替えようっていう魂胆!ああ、醜いわ。醜い!どブスね、あんた本当に」
「……だって」
「で、あんたが無理だと思ってる理由は分かったわ。どブスだからしようがないわね。で、どうしたいの?」
KAMAさんはカウンターにバンッと手をついた。
「……」
「例えばよ。あたしと彼が付き合ったらどうする?」