イブにあいましょう
1万円を超えたあたりから、競りの女性は2人に絞られた。

「1万7千円!」
「1万7千5百円!」
「1万8千!はい、1万8千きました・・・はい!1万8千5百。1万9千?はい!1万9千円!そちらは・・・」

もうすぐ紀章さんが競り落とされる。
ということは、あの2人のどっちかと、デートするってことで・・・なんか・・・いや!

と思ったら、握りしめていた私の両手に、ますますグッと力が入り。

「はいっ!」と司会者・ようちゃんが言ったそのとき、私はグーに握った右拳を掲げて・・・。

「2十万円っ!!」と叫んでいた。

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