イブにあいましょう
「2十万円!2十万!他にいませんかー?ラストコール!2十万・・・・・はいっ!では、2十万円で・・落札っ!!」

ようちゃんの美声の後、また会場内はシーンと静まった。
でも、女性客の一人が拍手をし始めると、それが段々広まっていき、数分後には歓声と大拍手に包まれた。

「はいっ!どうもありがとうございました!2十万円!今のところ、最高落札金額を提示してくださったこちらの方は、今回のイベントでお料理を作ってくださった、一条りさ子さんです!」

ようちゃんの合図に応えるように、私はぺこりと頭を下げると、周囲からまた拍手が湧いた。
その間に、今回のイベントを企画・実行している会社のスタッフで、知り合いのあみかさんが、いつの間にかここに来て、ようちゃんにヒソヒソと何かを囁き、ようちゃんはコクコク頷いた。

< 31 / 60 >

この作品をシェア

pagetop