イブにあいましょう
「おいっ」
「うわっ!の、紀章さん!?もしかして、私を待っててくれたの?あぁそうよね、オークションのことでしょ?ホント、色々邪魔してごめんなさい」
「おまえなぁ、いきなり20万とか・・・金、持ってんのか?何なら俺が払うけど」
「え!?いや、あるよ。あるある。それは自分で稼いだお金だから大丈夫だよ、ホントに。世間知らずだったあの頃の私とは違・・・でも“20万円”って桁違いな額を、いきなり提示した私って・・・やっぱり世間知らずな女じゃ・・・」

密かにズーンと落ち込んだ私に、意外にも紀章さんは、ニッと笑った。

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