御曹司と溺甘ルームシェア
普段は我が儘姫だが、こういうウブなところは他の男には見せたくないと思う。

「ほう、面白いのう?高木から話を聞いて興味を持ったが、お前にしてはかなり溺愛しとるな」

じいさんが俺を見て口元を綻ばす。

……高木の奴、余計な事を……。あのおしゃべりめ。

身内にはまだ寧々の事は知らせていなかったのに……。

この分だと親父にもすぐに伝わるだろうな。

「ええ。ですから触れないで下さい。本当にじんましん持ちですし、触れたら許しませんよ。触れて良いのは俺だけですから」

寧々の目を見ながらじいさんにそう言うと、彼女は声を荒げて怒った。

「ちょっと、私はあんたに許可なんか与えてないわよ!」

そんな俺達を見てじいさんが満足そうに微笑む。

「お前を怒れるオナゴがおるとはな」
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