御曹司と溺甘ルームシェア
「生憎、私は男に現を抜かすほどバカではないの」

フンと私が鼻を鳴らすと、冷泉は楽しげな視線を私に向けた。

「学校の成績はいつも赤点だったのに。お利口さんになったんだな」

こいつ……。社会人になってからも何故学校の成績を持ち出すのよ。バカにするのもいい加減にしなさいよ。

「……う、煩い」

たいした反論も出来ずにムスッとしていると、突然冷泉の手が伸びて私の肩に触れた。

奴の冷たい指の感触にビクッとなる。

え?

ぞわわーっと一瞬して鳥肌が立ち、私はブルブルと震えた。

「ごめん。髪の毛がついてたから」

冷泉が取った髪の毛を見せると、しれっとした顔で謝る。

こいつ……こいつ……私に触りやがった。

私は身体を震わせながらもキッと冷泉を睨み付けた。

「あんた、わざとやったでしょう!」
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