御曹司と溺甘ルームシェア

私が文句を言っても響人は平然としている。

「ごめん。美味しそうに見えたからつい。でも、気にするのはそっちなんだな？」

響人の目が面白そうに笑う。

「はあ？そっちって何よ」

私がウブとか言いたいわけ？

「いや、何でもない。本人の意識が別にあれば問題ないわけだ」

私の顔をじっと見ながらうん、うんと一人納得顔の響人は、次に岡田と目を合わせフッと笑う。

何なのよ。そのアイコンタクト！

「フフ。響人君と寧々ちゃんってラブラブだね」

ののちゃんのコメントに岡田が「そうだね」とにこやかに相槌を打つ。

「違う！ラブラブなんかじゃないの。これは喧嘩よ、ののちゃん」

「知ってるよ、寧々ちゃん。痴話喧嘩って言うんでしょ？」

ののちゃんが得意気に言うが、私は彼女の発言に頭を抱えた。