二十年目の初恋
休日 11

「この前の温泉も良かったよな」

「うん。楽しかったよ。露天風呂も入れたし」

「今度は混浴の露天風呂に入るか ?」

「えっ ? 他の人も入ってるところに ?」

「そうだよ」

「他の人に見られるのは嫌よ」

「当たり前だ。誰にも見せないよ。また部屋に露天風呂のあるところを探そう」

「うん」

「ところで、お腹空かない ?」

「そうね。朝が遅かったから、でももう二時過ぎてるわね」

「何か食べに行こう。美味しいラーメン屋さんがあるんだけど」

「うん。行く」

 悠介と一緒なら何処へでも……。二人で美味しいラーメンを食べて、お腹いっぱい。

「美味しかった」

「だろう ? よくお昼に来るんだ」

「そうなんだ」

「さぁ、後はどうする ?」

「スーパーに寄ってくれると嬉しいんだけど。いろいろ買いたい物もあるし」

「分かった」

 いつもの大型店に寄って食料品や生活用品を買ってマンションに帰った。

「疲れたか ? 昨日から出かけてばかりで」

「ううん。だって二人の実家と宝石店とブライダルショップでしょう。疲れたりしないよ。すごく幸せな二日間だったから」

「そうか ? それなら嬉しいよ」

「嬉しいのは私の方だから。ありがとう。私、本当に幸せだから」

「幸せなのは俺の方だよ。優華を嫁さんに出来るんだから。さあ、シャワー浴びるよ」

 もう二人でシャワーは普通のことになってる。いつものようにボディソープを含ませたスポンジで、お互いの体を洗い合う。

「優華、胸、大きくなってないか ?」

「えっ ? そんなことないよ」

「そうか ? 最初の頃より、ほら俺の手から零れてるよ」

「あん、駄目よ……」
 感じちゃうから……。

「気持ち良くて ? 柔らかい胸を触ってる俺の方が気持ち良いんだけど」

「もう、悠介……」
 変な気持ちになっちゃうから……。

「毎日の努力の甲斐があったのかな ?」
 泡にまみれた胸を悠介の両手で優しく撫でる。

「ん……」
 それだけで体の芯が熱くなるのは悠介に毎晩のように愛されてるから……?
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