強引同期が甘く豹変しました
「あぁ…本当ついてない」
両手で顔を覆いながら、大きなため息をついた。
「電話、何だって?」
隣から、俯く私を覗き込むように紀子がそう聞いてきた。
「それがさ…」
焦りやら不安やらの波に飲み込まれそうになっていた私は、目の前にいる矢沢や杉崎の存在も忘れて言葉を返す。
「来週、こっちに来る用事があるからって。同棲も始めたことだし、そろそろ付き合ってる人紹介しろって」
「わー、マジ⁉︎今の状況でその流れって…確かにやばいね」
「でしょ?だよね?やばいよね?もし別れたなんてことがバレたら…30になるタイムリミットを待つ前に長野に連れて帰られるかもじゃん」
言いながら、再び両手で顔を覆った。
絶対嫌だ、強制送還だけは。
でも、もしこの現状を知られたら?
…うぅ、どう足掻いても、逃げようがない。