強引同期が甘く豹変しました
「え、見合いって…今どきもそんなことってあるんだ…」
気にして聞いてきたくせに、杉崎は気まずそうにつぶやく。
「うん。本気なのかは私もわからないんだけど。25歳くらいからずっと言われてるから、本当にそうなるかも。一から説明するとね…」
本来なら説明する必要もないはずだけど。
こうなったら勢い任せだ。
「私が住んでた田舎町は、そもそも結婚する平均年齢が早くてさ」
そう話を始めると、私はこの忠告の一連の流れについて説明を始めた。
私の実家がある町は、若いうちに結婚をして子供をたくさん産むことを町ぐるみで勧めている。
少子高齢化に歯止めをかけるため、とか。
進学や就職で町から若者が出て行くことを避けるためとか。
早いうちに結婚をさせて地域に根付かせよう、とか。
手っ取り早く説明すると、要はそんな狙いがあるらしく。役場の人たちは町全体で婚活パーティーを開いたり、お見合いをさせてみたり。
日々、奮闘しているらしい。
だからこそ、なのだろう。
町の行政は、子育て世帯や新婚家庭などへの手当てはとても手厚いし、児童福祉や医療に関してはすごく力を入れていて、医療費は20歳まで全額町が免除してくれたり、義務教育の間は進級進学の度に毎年祝い金という手当てが出たりする。
そして、そんな活動を町役場の役員として日々務めているのが、私の父、永井健一なのだ。