強引同期が甘く豹変しました
物心ついた頃から、父は私達によく言っていた。
私達というのは、三人兄妹の兄、姉、そして私の三人にだ。
「早く結婚して家庭を持つ。それが一番の親孝行だ。それをこの町でしてくれたら尚嬉しい」
口癖のように、いつもそんなことを言っていた。
だから、なのかな。
その教えを守るように10歳年上の兄は県内の大学を卒業して、一年後には中学時代の同級生と結婚をしたし。
7歳年上の姉も、兄と同じ県内の大学にすすみ、隣町に住んでいた大学の先輩と25歳で結婚して、実家の近くに家を建てた。
結果的に、二人は町の運動に貢献した、という形だ。
本当にそれで良かったの?言われていたからそれを守っただけでしょ?自分の意思はないの?なんて。
思春期を迎えた頃は、兄や姉にもつまらない反発心が芽生えていた。
私は違う、私は自分のしたい勉強をして、やりたい仕事をする。絶対言いなりになんてならないって。
そんなことばかりを思っていた。
だけど、いざ反対を押し切って東京の大学を受験して家を出ると、毎年田舎に帰る度に兄か姉のところに家族が増えていたり。
そしてそんな孫たちを目を細めて可愛がっている父や母がいたり。
幸せそうな家族の姿を見る度、地域密着、地域貢献的な田舎の政策もそんなに悪くはないのかもしれないな、なんて。
反発心ばかりで固まっていた考え方が、徐々に変わっていった。
だけど、私にも意地があった。
やりたいことをする。私はお兄ちゃん達とは違う。そう決めて田舎から出てきたんだからって。
そう思うと、勉強も就職活動も自分の人生のためだって。精一杯頑張れた。