強引同期が甘く豹変しました



「でも、なんとか間に合う期間に彼氏も出来たし、同棲も始めてたし。タイムリミットまでには、まぁなんとかなるかーって。正直余裕ぶっこいてたっていうか」


紀子が追加注文してくれたビールが、目の前にそっと置かれる。

飲んでる場合じゃないんだけど…飲まなきゃやってられない。

ゴクゴク喉を鳴らしながら、私はハイペースにビールを飲む。女子感ゼロ。我ながら男前だ。


「なのにさー、それがさー、いざ結婚の話したら。えっ?俺、結婚する気ないよ。悪いけど、結婚に夢とかないんだよねとか言ってくれちゃって。挙げ句の果てに事実婚でもいいんじゃね?みたいなふざけたこと言い出して。本当ドン引き。何のために同棲しようなんて言ってきたの?って」


康介の話を始めた途端、口を開けば止まらなくなった。


「だいたい、こっちだってタイムリミットもあるし、妥協したんだよ?子供が好きじゃないとこも、浪費グセがあるところもさ、理想の結婚相手としてはかなり物足りないって思ってたけど。それでも妥協して結婚式場の雑誌とか買ってきて、早く結婚しなきゃって焦って自分に言い聞かせてさー」


完全に、愚痴だった。

妥協した、なんて。私にも悪いところがあるのはわかっていたけど。

言い出せば止まらなかった。


「なのに、結婚する気ないとかふざけてない?私だって、出来ることならもっとイイ男と結婚したいと思ってたのを、目瞑って我慢してやったのに」


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