期間限定の恋、はじめました。
「先輩の嘘つき……」


「え?」


「あ、いえ。何でもないです」


二人の間に風が通り過ぎる。


春風とはまだ言い難い、冷たい木枯らしのような風だ。


「今日で最後ですね」


「うん、そうだな」


「やっぱり寂しいですか?って私、これ何回聞いてんだろ……」


「やっぱ寂しいよな……」



やだ……


絶対、絶対、先輩の前では泣かないって決めてたのに。


涙がやっぱり溢れてくる。


私はそれを飲み込むようにグッと堪えながら先輩を見つめた。






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