マタアソボウネ
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「あれ、お母さん帰って来てる……」
「ただいまぁ」
「麗神、遅いじゃない。あれ、その子は?」
「えっと、同学年の聖司と言います。」
「聖司君ね。麗神がお世話になってるわ。」
「そんな事ないですよ」
「送ってくれたのね!?ありがとうございますぅ!」
「お母さん……」
「こんな夜遅くなので僕はこれで……」
「本当にありがとうね。聖司君」
後ろを向き歩いていく聖司を見送り、私達はリビングにある食卓テーブルに座った。そして私は、お母さんに言うのを決断してお母さんに言った。
「お母さん……永山や室山についてなにか知っていることはないの?」
「……麗神。」
「呪いをわたしで終わらせる!」
「何を言っているの……麗神?……呪い?そんなものあなたに解くことなんてできやしないわよ……。あたしの子供ですもの……。」
「お母さんの子供でも、やってみないとわからないでしょ!?」
「あなたがどこまで知ってるかは知らないけれど、私も母に教えてもらったのよ…。…でも、私には解くこともできなかった……」
「お母さんが解くことが出来なかったって、子供の私まで押し付けないで!!私はやってみせる……!」
「……!………麗神に何を言っても通じないのね……。わかったわよ。ただし、生きてここに帰ってきなさい」
「……わかった」
「んじゃあ、どこまで知ってるか教えてもらおうじゃない。私だってやったもの。少しは頼りになるかもよ」
「う、うん。大体は聖司から……ううん。聖司君の叔母から聞いたよ」
「さっきの子の?あの子には一体?」
「聖司君は、永山と室山の血が流れているの」
「……そう」
「うん。今、叔母の誇子さんと一緒に暮してるみたい」
「……聖司君も何かと巻き込まれているのねぇ……」
「うん。妹がいたみたいなんだけど…」
「亡くなったのよね…?」
「う、うん。その妹の顔にされているみたい」
「呪子にでしょ……。はぁ。……」
「お母さん?」
「そうね。そうよね……言わなくちゃいけないわよね……」
「お母さん?」
「麗神……私、まだあなたに隠し事をしているの」
「え……」
「あなたは双子の子なのよ」
「双子……」
「双子の中の姉なのよ」
「んじゃあ、その私の妹は……」
「亡くなったわ…いいえ。呪子の元にいるわ」
「呪子の……」
「妹の名前は美神(みか)。麗神と美神よ」
「美神……」
「今もきっと…呪子と戦っているわ……」
「……なんで、私には教えてくれなかったの…?美神には教えて……」
「美神が双子の中の妹だからよ……。生贄のようなものよ。長女……長男しか生き残れない。知っているように、長女や長男でも、年下なら……生贄のようなものに」
「生贄……」
「そうよ」
「ごめん。部屋に行く」
「そ…そう。晩ご飯できたら言うわ……」
「うん」
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